収穫後の出口を考えながら、とりあえず自分で作ってみようかと
これまで、綿を植えて糸を紡ぐといったワークショップは主催してお客様と一緒に楽しんだり、個人的に参加したりと何度か経験はあるものの、
実際に種まきから収穫まで自分だけでしたのはベランダのプランターが数回。
畑の作業はいつも受け身で、自分のところにスペースがないからということもありましたが、
毎回、結局、収穫した綿をさあどうするの?という、
実用的な出口が見つからないまま、
そうするとなんだかやる気が失せてしまって、ここ数年は植えていませんでした。
繊維の長さが短い和綿は、糸を紡いだとしても太くて切れやすく、
一般的な洋服にするには不向きです。
さりとて、繊維長の長い洋綿と混ぜて糸にし、生地にするには糸の発注ボリューム事情でもっと大量に栽培せねばならず、、
でもやっぱり、綿を育てて何かを作りたい。
たまたま、なのですが、この春から岡山と広島で2拠点生活を始めており、
岡山の家の裏の畑の一部を好きにしていい、と言われたのです。
そこで一気にエンジンがかかった私の自由研究。
アースデイ東京でも、オーガニックコットン業界にいるいろんな先輩方を捕まえて質問をいろいろしてきました。
メイドインアースさんの取り組みが素敵で、社長の前田さんにたくさんお話も聞かせていただきました。
こちらに参加させてもらおうかと思ったのですが、それを聞いた4月の時点では既に3月に取り寄せた和綿の種もあったのと、収穫した綿の出口として、自分用の半纏を作ってみるにはどれくらいワタが必要か知りたかったこともあって、
まずはテストも兼ねて、自分だけで作ってみることにしました。
畑、にするところからはじめる
ここは竹藪だったところを開墾し、家庭菜園にしたものの、イノシシの襲来があったのでそれきり、1年くらいほぼほったらかし状態になっているスペース。
ポピーみたいなオレンジの花、可愛いんですが、これは毒気があるとかでそれだけ抜いて、それ以外の雑草はぜんぶ、畑の脇に置いておいて枯らしてから漉き込んで栄養にしていこう、計画(らしい)。
私は実家もサラリーマンで、親族に農業をしている人がおらず、本当にど素人。
Y(パートナー)も農業は素人らしいですが、実家に大きな畑があって子どもの頃から見ているということで、やはり私とは素地が違う。ここではYを師匠と呼んで指導を仰いでいます。
冒頭のタイトルで「自分で作ってみよう」なんて書きましたが誤解を招かないうちに早速訂正をしておかねば。
私はこの日、ポピーみたいなのを抜いただけで、
翌日はリモートで広島のマアルと繋いで朝から晩までパソコンに向かっていました。ふと気づくと、たまたま休みだった師匠が草を全部このように集めてくれておりました。
(奥から放置していた玉ねぎが出現していた)
レポートで、毎回師匠がどうのこうの、とは書きませんが、
大半、農作業の世話になっていること、改めてお含みおきください(笑)。
綿はアルカリ性の土壌を好むので、石灰をこのようにまいて、ひたすら耕しました。
これは結構わたしが頑張りました。
よく、店で綿を吊るしたり、ディスプレイをするときにスマホをセットして「タイムラプス」とモードで撮っているので、
今回耕す様子もそのモードで撮影していたつもりでしたが、終わってみると、youtubeの撮影に使うしっかりとした動画モードで録画していました。
なので、いつか、youtube(いったいいつになるんだろう、、、)のネタのひとつにでもしようかと思ってこの日以降、録画してみています。見たい人いるかなぁ、、いない気もするが 笑。
石灰を混ぜてから約3週間たった畑の表面には、細かい雑草がびっしり。かわいい。スプラウトぴちぴち!な感じです。
今回畑や春の庭で過ごして一番思うことは、雑草すげー!です。
本当にたくましい。雑草魂とはよく言ったものだなと思います。
そして気づいたこと。雑草は雨上がりが抜きやすい。
もう、私は1分あれば庭にしゃがんで雑草を抜きたい衝動にかられるようになりました。手を動かせば動かした分綺麗になっていく達成感が半端ない。
よく祖母が庭や家庭菜園に座り込んでたなぁ。
「大変だな」って見てましたが、楽しんでいたのかもなと今になって思う。
岡山の家にいると、心の中で祖母に語りかける時間が増えました。
畝を作りました。
畝と畝の間の道(なんていう?)も、私が作ると細かった(土を掻き出すのが重くて最小限にしたい気持ちが現れていた)のですが、
太い道にしたほうがそのあと水やりに回った時に、よろけないんですね。
これまた師匠がいつの間にか、道を太くしてくれてて助かりました。
前回、石灰を耕した翌日、全身筋肉痛で息ができないくらい背中と腕が痛く、手には豆ができ、潰れたわたくしですが、畝作りは一回耕して柔らかくなっているところを掘るからか、
翌日は半日程度の筋肉痛だけで済みました。こうして作業していくうち、少しずつ背筋とかついて、あわよくばお腹が引っ込んでいくと最高なんだが(望みすぎ 笑)。
種まき作業は、え?これで終わり?な感じ
種は、オーガニックの自家採種の和綿です。茨城県で栽培された「真岡真綿」。江戸時代から続く品種だそうです。朝から水に浸しておき、(抑えてももんでも浮かんじゃうけど)、夕方に植えました。
1穴に3粒ずつ入れました。こんなたっぷりの土に、株間は70cmくらいあります。なんて贅沢な植え方なんだ。今までのプランターで育てた綿、そう思うと窮屈だったろうなぁ。
え?もう終わり?っていうくらいあっという間に完了。
かつて参加したワークショップや、庄原の婦人会の皆様と友人の徳岡まきちゃんにお世話になってマアル主催でやった棉のワークショップも、種まきからの参加だったので、
こうやって改めて、準備してくださっていた皆様へ手を合わせたいくらいの感謝の気持ちでいっぱいになったのでした。
そんなこんなで無事?タネを植えるところまでやって広島へ。
芽が出るまでは頻繁に水やり、というミッションは師匠に託してきました。
そんなこんなで飛び飛びの自由研究になろうかと予測されますが、
最後、冬にmy生産オーガニックコットン和綿で半纏が果たしてできるのか否か?
マサムネにリポートしてもらっている「マアルの自由研究」よりはるかにざっくりした自由研究(というよりただの日記)で恐縮ですが、よろしければ見守ってください!