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vol.10 「マアルの肌着ができるまで 綿から糸 編」

なぜフェアトレードのオーガニックコットンを選ぶのか
The reason why we choose fair-trade organic cotton

マアルの肌着や布ナプキンは、フェアトレードのオーガニックコットン(※)でできています。

フェアトレードのものを選ぶ理由は、身につけて気持ち良い、と思うものが、そこに関わる人たちにとっても心地いいものであってほしいから。
「快」の連鎖の中にマアルの肌着があることを願っています。

現代の衣料品の多くは、直視出来ないような問題を抱えています。
原料、資材、縫製、販売…コストダウンに焦点をあてたものづくりがそこにあります。
大量生産を推し進め、さまざまな人件費を削減するため、発展途上国の労働者からの搾取は増える一方です。

原料のコットンに関しては収穫量を上げる目的で農薬を大量に使用したり、近年では農薬の使用量を減らせる遺伝子組み換え品種が開発され、これが主流になりつつありますが、そこにも様々な問題を含んでいます。

農薬や遺伝子組換えが環境や人体に及ぼす影響が懸念される中、全世界で生産されるのコットンのうち、オーガニックコットンはわずか1%に満たないと言われています。

毎日身につけている、それも直接肌に触れているものが「どんな風にできているの?どんな人たちが作っているの?」と、子ども達に聞かれた時、堂々と説明ができるものでありたい。
遠い異国で綿を作ってくれている人にまで想いを馳せられるようなものでありたい。

わぁ、気持ちいい。思わず声が漏れてしまうような生地と出会ったのが、マアルを始める少し前。
締め付けない形のパンツを作りたいと思っていた頃の幸運な出会いでした。

肌が見つけてくれたこの生地は、どこまで遡っても優しい想いにあふれたフェアトレードのオーガニックコットンでした。

※ フェアトレードのオーガニックコットンとは、労働に対して正当な賃金を支払い、適切な労働環境のもとで生産された無農薬有機栽培のオーガニックコットンのこと。マアルは中でも独立した第三者認証機関による認証がとれた明らかなるプロジェクトに基づいたものを使用しています。

綿から糸が生まれるまで


2017年冬、インドのオーガニックコットンの畑を見学する機会に恵まれました。
首都デリーから、国内線に乗り換えて南へ2時間飛び、インドール空港からさらに車を走らせること2時間。
Kasrawadという農村地区にbioReプロジェクトの本拠地があります。


スイスのREMEI社が母体となって発足したbioReプロジェクト。
だからでしょうか、今回滞在したトレーニングセンターは、至る所にクラシカルなヨーロッパの田園を思わせるような美しいしつらいが。
夜はキャンドルが灯されます。


至る所に歓迎の意を込めた砂絵が用意されています。


食事のほとんどがコットンの輪作で栽培されたオーガニックの野菜や穀物で作られていて、ヨーグルトも飼っている牛から。優しくて、透き通った、という表現が一番近いような味でした。


年に一度、プロジェクトの活動を見学できる「Open House Day」にヨーロッパを中心としたクライアントが集まりました。

bioRe INDIA 真のオーガニックコットンを守り、育て、届ける

インドにおけるbioReプロジェクトは、「bioRe INDIA」と「bioRe Association」という二つの組織によって運営されています。
コットンの栽培から原綿の販売までを担っているのが「bioRe INDIA」。

トレーニングセンターでは文字通りオーガニック農法を学ぶためのトレーニングが行われる他に、様々な農法や有機栽培に関する研究やテスト、コットンの種の品種改良が行われています。


このプロジェクトに参加するために必要な知識習得を目的としたトレーニングや、認証を取得する方法のレクチャー等も行なっており、約5,000軒の契約農家は無料で受けることができます。

『栽培技術や知識だけでなく、このプロジェクトのポリシーを理解した上で、世界を席巻する遺伝子組み換え作物や農薬を「使わない」ことを選択する農家になるのだ』と、まだ30代の若いリーダーは熱く語ってくれました。


インドのコットン生産量は世界2位(オーガニックコットンは世界1位)ですが、圧倒的に遺伝子組み換え品種が主流で、非遺伝子組み換えの種を買うことは非常に困難。

そこでこのbioReプロジェクトでは独自に非遺伝子組み換えの種を調達、契約農家に販売しているそうです。
種の交配や肥料の研究も盛んです。私たちに説明をしてくださる人たちの目がキラキラしていて、研究に誇りを持ち、伝えたくてたまらないんだ!という空気が伝わってきます。

bioReトレーニングセンターの周囲には、様々な試験農場や研究施設、学校、女性支援施設などがあります。
大規模試験農場では、16m×16mの区画に区切られた畑でコットン栽培のトライアルが行われています。
中には、あえて遺伝子組み換えの種を植えて比較調査している区画もありました。
遺伝子組み換え品種のほうが収穫量が高いと思い込んで(思い込まされて)いる農家が圧倒的な為、オーガニック農法が従来の農法よりも優れていることを科学的に示せるように長期的な実験をしているそうです。

とにかく暑くて、じりじりと肌が焼けるような時間でしたが、それでも訪れた11月はインドで最も過ごし易いと言われる乾期の入り口。
雨季の5月には最高気温が40度を超える日もよくあるそう。
農家さんのご苦労がしのばれます。
コットンは輪作を必要とするため、大豆や野菜等も有機農法で育てているのですが、こちらも収穫量が上がるように研究しています。


契約農家の家族達も出迎えてくれました。
みんなこの日のためによそ行きの服を着て、カメラを向けるとはにかむ姿がとても愛おしい。

「僕らのお父さんの仕事を見て!」 誇らしげです。

種子開発農場では、大学と連携して栽培されたコットン種や土、肥料が年ごとに全て保管され、様々な掛け合わせにより品種改良を目指しています。
コットン栽培における害虫・益虫との関係を調査するための昆虫の研究もしているそうで、無農薬有機栽培の背景にはこれほどの研究があるのかと驚くばかり。


一つ一つ手摘みされ(bioReのコットンは全て手摘みされています!)、各農家からトラックでジー二ング工場(繊維と種を分ける工場)へ運ばれてきます。
ここで何度目かの遺伝子組み換え品種が混ざっていないかチェックが行われます。
インドで栽培されるコットンの98%は遺伝子組み換え品種。
油断すると遺伝子組み換え品種が混入してしまう為、種の購入時、栽培時、収穫時、搬入時に徹底したチェックを重ね、排除しています。


昨年新設されたこの大きなジーニング工場の動力はソーラーやバイオマスのクリーン動力と聞き驚きました。

取り出されたコットン(繊維)は、圧縮され、200kgの塊になり、インド国内にあるbioRe管轄の糸にする工場に運ばれます。

bioRe Association
─ 社会問題に取り組む為の活動

bioReプロジェクトのもう一つ大きな目的に社会貢献があります。

bioRe INDIAの契約農家の家族は、学校に行く権利が無償で与えられています。
識字率が低い国インドでは、学校に通うことが当たり前ではありません。

学校がないエリアの子どもたちに教育をという目的のもと、bioRe Associationには現在18の学校が登録されています。
bioReプロジェクトに関わるクライアントからの寄付で学校が建設され、地域の人たちが運営しているそうです。


animation schoolは12歳くらいまでの初等教育の場。

先生の言葉を聞き漏らすまいと大きな目で真剣に授業を受けている姿は印象的で、義務教育になって久しい日本ではこんなに熱心な授業風景をあまり見ないなぁ…と色々考えさせられるものがありました。
文字、計算等といった基礎学習に加え、自立に向けた授業も展開。

中・高校、専門学校の年代の子が通うpublic schoolでは洋裁、バイクの修理、コンピューターの授業も見せていただきました。
コンピューターは人気なのか、教室にいっぱいの生徒達がいるにも関わらず、やはりここも真剣そのもの。静まり返っていました。

女性支援施設は、糸紡ぎや草木染め、養蚕、機織り等の技術を伝え、女性の経済的自立を促す役割を担っています。
ここでできたものはbioReプロジェクトが買い取り、販売しています。


医療バスも見に行きました。
bioRe INDIAの契約農家さん達が住む村には病院がないところがほとんど。

レントゲンや心電図といった設備を用意し、ドクターとともに移動するこのバスは、診断費用や投薬にかかる金額が相場の半額。
年間約9万人の健康診断や診察にあたり、地域の人々の健康に大いに貢献しているそうです。

訪れたこの時も、人々が順番待ちで並び、バスの中では骨折をした男の子がレントゲンを撮っているところでした。

美しい思想と行動は、美しく整った(整えた)場、環境が作っていくのだなあと、フェアトレードのオーガニックコットンが生まれ、糸になるまでにたずさわる人達、場所を見て思いました。

どこまで遡っても嘘のない、信念に基づいた透明性のあるトレーサビリティ。
彼らの信念に満ちた顔!子どもたちのキラキラした目!活動の全てが調和して美しかったのです。

こんな風に生まれたフェアトレードのオーガニックコットンが毎日私たちの肌に触れている。
マアルの肌着の源がこれほどのピュアな人達のもとで生まれていたことに、感動という言葉では表せないほどの気持ちを抱えて帰国しました。

百聞は一見に如かずと言いますが、一見してみたら百、いや千、いや万、感じることがあり様々な思いが生まれ、早く整理してお伝えしたいという気持ちとは裏腹に、現地の匂い、温度、話を伺った方の息遣い…様々な要素が個人的な感情と混じり合って、なかなか書くことができませんでした。

こんなにも遅い「一報=ippo」になってしまったことをお詫びするとともに、綿から糸、糸から生地、生地からマアルの肌着になるまでの工程をご紹介するにあたり、取材・視察にご協力いただいた関係者方々に心から感謝いたします。

「糸から生地 編」、次のippoへ続きます。

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