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久留米絣とマアル

マアルが久留米絣と出会ったのは2016年。
日本に古くから続いている織りで肌着が出来ないか?と考えていたとき、福岡県久留米地方に江戸時代から続く「久留米絣」と出会いました。
当初は限定商品として考えていたものの、オーガニックコットン糸でマアルの肌着用にと特別に織っていただいたこの生地は想像をはるかに超える気持ち良さ。以後、継続して織り続けていただくことになりました。

久留米絣織機

洗えば洗うほど、着れば着るほど柔らかさが増していくマアルの久留米絣。

糸と糸の間に空気をはらむので、寒い時期は意外なほど暖かく、夏は汗をかいた肌に張りつかず、年中心地よく過ごせます。

発売から6年経った今、グレードット柄は定番となり、赤ドット、グリーンドット限定商品が次々加わりました。
品目も下着からはじまり、ショート・ロングパンツとウエア展開、そしてコロナ禍は久留米絣の生成りでマスクも作りました。

200年続く伝統工芸を、こんなにも身近に、まさに「肌」で味わえることがとても嬉しく、ますます久留米絣の魅力に惹きつけられています。

久留米絣 複雑で繊細な工程

生地が織り上がるまで3ヶ月を要する久留米絣。その工程はゆうに30を超え、マアル仕様にオーダーしている箇所もあり、とても複雑です。そのごく一部ですがご紹介します。

整経

糸を煮沸し、汚れや不純物を落とします。
通常さらに漂白しますが、マアルはオーガニックコットン糸の風合いをできるだけ残すよう、漂白はしません。
絣の模様が入る部分の糸を「絣糸」、模様が入らない糸を「地糸」と呼び、図案に従って絣糸と地糸を分け、整えます。

くくり・染め

久留米絣の括り

絣(かすり)の最たる特徴である「括り(くくり)」という工程には、「括り屋さん」と呼ばれる専門の職人が存在します。久留米近隣の絣の織元が連携して共同組合を作り、括り工程の技術を守りながら、後継者作りにも取り組んでいるそうです。

でんぷん糊をつけた括り糸を図柄に合わせ絣糸に巻いていきます。
括り糸が乾いたら括り糸ごと絣糸を染めることで、括った中には色が入らない仕組みです。
白い模様になるならこのまま、模様に色を入れるなら括り糸を外してもう一度染め工程に入ります。

縦糸・緯糸のセッティング

括り糸を外して湯洗い、天日干しした糸を縦糸は機織り機にセットできるよう糸を並べ、巻き込んでいきます。 緯糸(横糸)は、木管に巻きます。括りのある縦糸、無い縦糸、緯糸、全部を同じテンションにするには経験と技術が必要です。

製織

昭和30年代の古い織機を使い、織り工さんの管理のもと低速で織り上げていきます。 木管の糸がなくなると交換したり、模様のズレに気づいて調整したり。ひとりで複数台を同時に管理しながら織り上がるのを見守ります。

洗い、自然乾燥

糊や汚れを落とすため、しばらくお湯に浸したあと井戸水で洗い流し、脱水します。 風の流れを考慮した工場2階の干場で自然乾燥させます。

久留米絣を最大限に生かして

かすれの美と独特の柔らかさ

かすれの美と独特の柔らかさ 現代のプリント技術では再現できない、独特の柄の滲みがある久留米絣。
括った部分が織るにつれ少しずつずれ、かすれたように見えることから「かすれ=絣かすり」という名前がついたと言われています。

当時、プリント技術がなかったとはいえ、現在でもこの一期一会のかすれに魅力を感じる日本人の繊細な感覚を大事にしたいと思います。

織り始める前にこれほどの手間と時間をかけ作り上げた、マアルのオーガニックコットン久留米絣を少しでも無駄にしたくない!
幅33cmで織られた生地を最大限利用すべく、特にショートパンツ、ロングパンツはできるだけ生地の耳を生かしたカッティングにしてあります。

冒頭動画 撮影:田頭義憲 ディレクション:大前洋和

現在販売中の
marru久留米絣シリーズ

色柄 定番グレードット
   限定赤ドット
   限定グリーンドット
   新柄2022
   限定ブラック霧雨

品目 満月パンツ
   太陽パンツ
   ショートパンツ
   ロングパンツ