カテゴリー

持続可能な社会のためにマアルができること
Live together in harmony
~私たちは棄てません~


全くこの業界(アパレル業界)のことを知らずに飛び込んだ私は、
12年経った今でも驚くことがいろいろあります。

その中のひとつ、
お客様の手に渡る前に、
「メーカー廃棄」する衣料品というのがとーーーっても多いのです。

どんな流れで廃棄になるか。

例えば、
工場で縫い間違いが発生したとします。
それも数十枚、大きなロットになると数百枚、数千枚。
それを一枚一枚ほどいて縫い直すより、新たに作った方が時間がかからない。
作り直せば更に材料を使うけれど、その材料費と縫い直しの人件費を比べると、材料費を工場が負担してでも、新規で縫うほうが痛手は少ない。
こんな時、縫い間違った製品が廃棄されます。

例えば、
販売計画が固まる前に縫い始めなければ間に合わないような納期が設定されていたとします。
納期に間に合わせるために見切り発車で生産を進めたものの、途中で計画の変更が発生、作りかけていたものは廃棄に。

例えば、
コストダウンのために短期間での大量生産が求められたとします。
スピードを上げてバンバン縫うと、毎回○枚くらいロス(間違い)が出るから、その分多めに縫って、 指定された量を納品、保険として縫った分は工場で廃棄に。

例えば、
季節限定の衣料品が売れ残ったとします。
もう次シーズンには売れない。バーゲンにしても売れなかったら、在庫高が膨らんで税金をたくさん払わなくてはならないから、 処理代を払ってでも処分。



これらは衣類ロスの事例の一部ですが、
「え?勿体無くない?」「ちょっと待って、、、」と一般的な感覚を持つ人であればびっくりしてしまうことが、当たり前のように発生しています。

2019年で、日本国内の衣料品供給量が35.3億点。
なのに、購入したのは26億点(環境省調べ)って、桁も大きいし、売れ残りも大きすぎるし、もう私の頭では到底イメージできない数字でボーッとしてしまいます。

このような話を聞くと、材料費、人件費を削りに削った大量生産・大量廃棄のファストファッションを思い浮かべもしますが、2018年に某有名イギリスのアパレルブランドがブランドイメージを守るために24億円相当を廃棄していたことがわかり、 ハイブランドも例外でないことが明らかになりました。

ただ、その「イメージできない」というところがとても危険で、ボーッとしている間にも、回収後ウェスやリサイクルに回されるのはほんのわずかで、 大半は轟々と燃やされている...


マアルの肌着のほとんどで使っているbioReプロジェクトのオーガニックコットンは、 小規模農園ばかりで、収穫は手摘みです。

ひとつひとつ手積みしたコットンからようやくできあがった生地は、柔らかくてふわふわで、お日様に干したような匂いがしています。


棄てられない。

縫い間違いだって、人の手による仕事ですから、時々は発生します。

新しい工場さんとの仕事になると、まま、あります。

そんな時は、もちろん廃棄ではなく、ほどいて縫い直せるものはそうしますし、ほどくことで生地が使えなくなるような場合は、リサイズしたり、着用に影響が全くないものはB品としてお客様にお求めいただいています。

また、マアルでは工場にお願いして、残布と言われる裁断したときに出るハギレも回収しています。

マアルはこれまで、理解してくださる国内の工場さん達の協力もあり、肌着たちを棄てずにやってくることができました。

こういうのが、いいな、と思います。


定番商品が売り切れてしまって欠品したり、予定より納期が遅れて計画を大幅に見直し、なんてこともあり、まだまだ課題だらけではありますが、

作りすぎて余って処分を検討せざるを得ない状態になるよりも、マアルの肌着を必要としてくださる方々とともに、ゆっくりゆっくり広がり続けるこの感じがいいな、と思っています。

これからも「本当に気持ちのいい肌着」は、環境や生産者とマアルく繋がっていきます。