肌で感じてほしい。久留米絣の魅力と、新作が生まれるまで
マアルスタッフが、代表の櫻木にインタビューを行い
新作が生まれるまでの背景や、久留米絣への想いを聞きました。
目次
久留米絣との出会い
── 2017年からの久留米絣シリーズが始まったきっかけを教えてください。
この久留米絣シリーズが始まる前に、久留米出身のスタッフから「久留米絣、いいですよ」と、絣のハンカチをもらったんです。
それまでは「久留米絣」って言われても全然ピンとこなかったんだけど、手元に来て触っているうちに、肉厚な感じがするのに柔らかくて。
しかも洗えば洗うほど、ハンカチがどんどん柔らかくなっていくからとっても不思議で。
そうしていたら、その元スタッフのお友達が久留米絣の図案を引く仕事をしているって聞いて、「オーガニックコットンで織っていただけるものだろうか?」とご相談したのが久留米絣シリーズの始まりです。

新作テーパードパンツが生まれた理由
── 今回テーパードパンツを作ろうと思ったのは、なぜですか?
久留米絣シリーズは2017年に満月パンツから始まって、絣があまりにも気持ち良いからロングパンツやショートパンツ等、ウエアも展開してきました。
ロングパンツは流行に左右されないクラシックな良さがあるんだけど……正直に言うと、私自身があんまり似合わなくて(笑)
お客様でもやはり似合わないことで諦める方もいらっしゃったので、パンツとしてのバリエーションが欲しいなってずっと思っていました。
絣は着物幅でしか織れないから、ロングパンツはその着物幅の生地を裁断なしでフルで使っていて、新作も着物幅という制約の中でどうしたもんかと考えた末に、今回は前後1枚ずつ使っていたところに、横にもう1枚加える構造にしました。
裁断のロスは出ちゃうんだけど、そうしてでもいろんな人に着てもらえる形にしたくて。

── 「テーパード」という形にした決め手は?
ワイドパンツも選択肢としてあったんだけど、絣の生地って初めのうちは張りがある素材だから、裾まで広げるとボリューミーなシルエットになっちゃう。
どなたでも着やすく、すっきり見せられる形がいいなと思ってテーパードにしました。
テーパードにしたことで、普段使いはもちろん、お仕事のシーンでも活躍するのではと思っています。
── テーパードとロングパンツ、履き心地の違いはどんなところですか?
テーパードは横側にもう1枚生地を加えたことで、太もも・腰回り・お尻まわりにゆとりが出て、よりゆったり履けるようになりました。

シルエットがすっきり見えるので、今までよりも締め付け感のあるものかと思いきや、実は反対で、気持ち良く履けると思います。
これ、お客様にもなかなか伝わりづらくて、「ゆったりしたシルエット」って書いてるのに、見た目がシュッとしてるから「どこがゆったりなの?」ってなるんだよね(笑)
もちろんこれまでのロングパンツが締め付けがあるとかそういうわけでは全くないので、そこは安心してくださいね。
新作のこだわりポイント
── 今回の新作を作る上で、特に難しかった点はありますか?
テーパードパンツは早い段階でまとまったけど、同時発売の絣キャミソールが本当に難しかったです。

絣の生地って伸びないから、はぎ合わせの位置によっては胸がとがって見えちゃったりして、フライスみたいに伸びる生地なら調整できるんだけど、絣の生地ではそうもいかなくて。
コンパクトにしながら、でも脱ぎ着がギリギリ楽にできるように、っていうバランスがとにかく難しかった。
タックを入れたり外したり、細かい微調整を何度も重ねて、やっと完成しました。
新色・茶縞への想い
── 今回の新色「茶縞」は、どんな経緯で生まれたんですか?
これまでの新色が、紺や黒ベースのものが続いてたから、違う色系が欲しいなと思ってて。
絣の生地を織ってくださっている下川織物さんにサンプルを何種類か送ってもらって、その中から「これだ!」と思って選んだのが茶縞。
セットアップで着てもらうとすごく上品で素敵で、着方次第で全然違って見えるのがこの色の面白いところかなと思っています。

── ちなみに今回の3色の中で、一番推している色はどれですか?
私は断然、青無地!(笑)
もともと黒無地を買うつもりで来たお客様が青無地を試着してみると「青の方がいい」ってなるケースがほんとうに多くて。
「こんな鮮やかなボトムスは持ってないけど、履いたらしっくりくる」っていう方がすごく多いんです。

今回の撮影の際に青無地を着てくれたスタッフもとても似合っていて、青無地派になっていました(笑)
トップスが黒でも白でも合うし、着たら思うほど派手には見えないから、ぜひ一度試してほしいです。
久留米絣という生地の魅力
── マアルが久留米絣シリーズを続ける理由、生地の魅力はどんなところにありますか?
一番は、とにかく気持ちいいってこと。
私は織りのこととか専門的なことを全然知らない状態で手にしたときから、久留米絣はなんとも言えない懐かしい気持ちよさがあって。
風衣と比べても糸が太くて分厚いはずなのに、なんでこんなに涼しくて気持ちいいんだろうって。
肌にくっつかない安心感というか……言葉にならないんだよね。

個人的な想いとしては、日本各地にあった絣の産地がどんどんと少なくなっていて、そんな中でも久留米絣が一番活発に動いて、若い人たちが「つないでいこう」と頑張ってくれてることに思いを馳せることが多くあります。
こんな世の中なので伝統工芸だからっていう理由だけではなかなかお金は出せないかもしれないけど、自分が着ていて気持ちよくて、プラスで伝統工芸の一助になれるならそれはとても嬉しいことだと思っています。

手に取ってくださる方へ
── 久留米絣シリーズがはじめての方へ、おすすめのアイテムはありますか?
はじめてであれば、満月パンツから試してみるのがおすすめです。
あっという間に乾くし、生地の気持ち良さや、締め付けのないマアルのこだわりも感じていただけると思います。

── さいごに今回の新作を手にする方へ、一番伝えたいことは何ですか?
絣だからっていうよりもマアルはすべてそうだけど、肌で感じてもらえたら、それが全てかな。
そんな中で久留米絣は、「昔から続く織りってこんな感じなんだ」という風に、オーガニックコットンということよりも織りの違いを楽しんでほしい。
太ももに当たる感じ、背中に当たる感じ、お腹に当たる感じを確かめながら、こういう織り物なんだ、こういう気持ちよさなんだって感覚で着てみてほしいです。
洗うほどに糊が落ちて、どんどん自分の体に馴染んでいく変化も楽しみながら、ご自身のものにしていってもらえたら嬉しいです。


