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よつめ染布舎 「春を待つ」が出来るまで

大分県国東半島にある古民家で「よつめ染布舎」を営む小野豊一さん。
伝統工芸の型染め職人でもあり、グラフィックデザイナーでもある小野さんが描いた数多くの絵柄の中から、
自然に導かれるようにしてマアルが出会ったこの柄。
小野さんは、手書きのデザインをパソコンに取り込み、パターン化して型紙に写し込んだ後、
手作業でひとつひとつ切り抜くことで型が出来上がります。



炊いた餅米に糠と塩、石灰、水を混ぜて練り上げ、糊を作ります。
マアルが小野さんに渡したオーガニックコットン・ガーゼを広げ、型を置き、糊をヘラで縦方向、横方向と何度も重ね、均一に伸ばしていきます。


図柄が繋がるように綿密に計算された型ですが、糊置きの際にずれてしまっては元も子もない。
外すとき、置くとき...慎重な作業を何度も繰り返してようやく5mの糊置きが終了します。
立体的に置かれた糊の姿は圧倒的な迫力があります。


糊が乾くと、いよいよ色づけ。特に細かいこの図柄は、刷毛を生地に垂直にしてポンポンと色をのせて。
紫を落とし、グレーを落とし、最後に薄紅をひいていきます。隣り合う色と色が微妙に滲みあう、
その一期一会の「滲み」こそ、型染めの魅力でもあると小野さんは言います。


自然乾燥で色づけした生地を乾かした後は、糊を湯で洗い落とします。
糊があったところは色が入らないため、生地が白く浮かび上がります。
この瞬間が一番好きだという小野さん。
最初に描いたデザインが、ここで初めてテキスタイルとなって産み出されます。乾かして生地が完成。
ここから、マアルの手に渡り、職人が一枚一枚、オーガニックコットンの糸で縫い上げます。

動画制作 GREENBOW

photo/大前洋和, ③④小野豊一

よつめ染布舎   小野豊一さん

1982年 広島県生まれ よつめ染布舎。
陶芸家の奥様 岡美希さんと小野さんの作品を展示・販売する「すずめ草」を同所で運営。

よつめ染布舎HP  ⇒ http://www.yotsume.co